物余りともいえる社会で、いま、金銭を介在させない不用品のやり取りが広まり出しています。
その活動を追ってみると、リサイクル意識以上に、地域交流やまちづくりへの意向が見えてきました――。
コミュニケーションを目的に
「その地球儀、飾りやすそうでいいですね」 「あなたのその鉢植えと交換しましょうか」
先月下旬の月曜日のこと。
小平元気村おがわ東の「男女共同参画センター『ひらく』」で、市民二人が互いの所有品を交換する一幕が見られました。
同所で行われていたのは、「ものもの資本主義――ぶつぶつ交換」と題された、文字通り物々交換のイベント。テーブルには本、CD、手芸品、オブジェ、植物、菓子などが並び、人がふらっと訪れては、気に入った物があると、「これと換えてもらえるかしら?」と出品者に声をかけていきます。
「この活動の一番の目的は、物々交換の過程で生じるコミュニケーションです。もちろん、わらしべ長者的な、掘り出し物に出会えるかもという楽しみはありますが、それ以上に、お金を介在させない取り引きの楽しさを多くの人と共有できたら、と思っています」
そう話すのは、主催する「インドな人口問題を考える会」の笹尾かをるさん。
物々交換はお金にとらわれない体験の場として2年前にスタート。以降、基本的に毎月最終月曜日に同所で開催しています。
過去には、「赤ちゃんを30分抱っこ」と「手作りジャム」の交換が成立したことも。
「ふらっと初めて来る人は何も持っていないことが珍しくありません。そんなときは、特技を披露してもらって“物々交換”することもあります。『物』と『価値』の交換ですね」
と笹尾さん。
参加するときは、交換できる物の持参がお勧め(生もの、動物は不可)。
詳しくは同会(042・308・0903)へ。
「地域の名物になれば…」 「0円均一」提唱者の高島さん
「交換」をその場ではなく、まち全体で行おう――という提唱をしているのは、西東京市の美術家・高島亮三さんです。
「0円均一」のロゴを張った箱に不用品を入れて自宅前に置いておく、というシンプルな取り組みで、通りがかりの人に自由に持っていってもらうとともに、自身も町で見かけた「0円均一」から好きな物を持ち去っていくという仕掛けです。
高島さんは6年ほど前から「ゴミゼロ」の5月30日に合わせて毎年キャンペーンを行っており、今年も、29日に西東京いこいの森公園で開かれる同市環境フェスティバルでブースを出します。
「始めたきっかけは、ぼく自身が掘り出し物に出会いたかったから。その人にとって不用な物でも魅力ある物はたくさんあります。まち全体で取り組まれ、この地域の名物になれば最高ですね」
と高島さん。
「0円均一」のロゴは、高島さんのホームページから入手可能です(「0円均一」で検索可)。
(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)
詳しくは高島さん(042・453・5420、info@takashimaryozo.jp)へ。
◎0円均一
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今年もやろう! 不用品の軒先交換「0円均一」
環境フェスティバルにも参加 5月30日の「ごみゼロの日」に合わせ、町全体で不用品の交換をしようという「『0円均一』週間」が、今年も行われます。 「0円均一」は西東京市在住の美術家、高島亮三さんが提案す ...