映画で地元を再発見&PR 西東京市民映画祭から構想生まれる  ベースの作品は1月の「市民名画座」で上映予定

自主制作映画コンペティションの応募作をベースに、地元色の強い独自の長編映画を作ろう――。

先月終わったばかりの西東京市民映画祭から、新たな構想が生まれています。映画で地域の魅力を再発見しようという狙いです。

そのベースとなる応募作「西東京物語」は、来年1月の市民名画座で上映されます。

オリジナル映画制作の構想の元となった「西東京物語」イメージ画像。東伏見稲荷神社付近の場面から

「西東京市で暮らす」をテーマに三部作を構想

構想は、30分程度の3つの短編映画を制作し、一つの長編として仕上げるというもの。「西東京市で暮らす」という共通テーマが三部作を貫きます。

この構想は、先月のコンペティションに応募された長尾雄一郎さん監督作品「西東京物語」がベースになっています。

同作は、福島県から進学のために西東京市に移住した青年が、母の訪問を機に、地域の魅力と出会っていくという内容。

同作を見たときの印象を、同映画祭を当初から牽引する西東京シネマ倶楽部代表の山本恵司さんは「やっとこういう作品が来たと思った」と振り返ります。

「市民映画祭は映画を通して市民をつなげる目的がありますが、もう一皮むけるために何かが必要と思っていました。地元に焦点を合わせたこの作品を見て、これをベースに市民の手でオリジナル映画が作れるのでは、と胸が高鳴りました」

 

オリジナル映画で市をアピールしたい

とはいえ、応募作自体が評価を得なければ、構想も先には進みません。

そこで思いを秘めて本選を待ったところ、グランプリこそ逃したものの、同作は12ある賞のうち、「市長賞」や「観客グランプリ賞」など4賞を獲得する好評価を得ました。

それを受けて山本さんは、同市商工会などに、「オリジナル映画で西東京市をアピールする」という企画を提案し、協力を呼びかけ。地元を舞台に1、2年かけて2作の短編を制作し、最終的には、単独上映できる90分超に仕上げることをイメージしています。

「映像には、『こんないいところがある』と客観的に伝える力があります。地域の再発見や、西東京市の魅力のPRに、オリジナル映画が役立つはずと確信しています」  

と山本さん。

 

実力派監督への信頼感も

また、この構想においては、監督の長尾さんが西東京市出身・在住者というのも後押しとなっています。

長尾さんは各地の映画祭などでグランプリなどを受賞する実力派。地元に着目した今作では、東伏見稲荷神社などで撮影を行なっています。

 

名画座で短編上映

「西東京物語」は、シネマ倶楽部が1月15日に主催する市民名画座で上映予定です。詳しくは同倶楽部(042・452・6323)へ。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

 

●西東京市民映画祭とは

2007年に旧保谷市で始まった市民映画祭をベースに、西東京市発足の2001年から毎秋開催。これまで、佐藤純彌、深作欣二、山田洋次ら日本を代表する映画監督を迎え開いています。目玉企画の自主制作映画コンペティションには全国から100作前後の応募が集まっています。今年は中国からの応募作もありました

西東京シネマ倶楽部

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