全国でもそう多くない「目」専門のドックが、西東京中央総合病院で始まりました。目全体を短時間でスムーズに調べられ、特に、失明原因上位の疾患を早期発見できるメリットがあります。
ドック新設の狙いや意義、検査の中身について、眼科医の本橋良祐医師にお聞きしました。
珍しい「目」専門のドック
――「目」専門のドックは珍しいと聞きました。なぜ今、新設を?
「長寿化の中で、白内障や加齢黄斑変性など加齢に伴う眼疾患が増えています。また、失明原因上位の緑内障や糖尿病網膜症も、40代、50代の罹患者が珍しくありません。
眼疾患は自覚症状が出にくい病気も多いため、早期発見に寄与できれば、という思いで設けさせていただきました。
検査で分かることは?
――どんな病気が分かりますか?
「このドックの大きな特徴は、眼球の前から後ろまで、全体をしっかり検査できることです。
特定検診や人間ドックでも目の検査をすることがありますが、たいていは網膜や血管と神経のチェックだけで、これで分かるのは目の2~3割程度です。
それに加えてこのドックでは、角膜や水晶体、眼圧、ドライアイ、矯正視力など、目のほぼ全てを調べられます。
よほど希少な病気でない限り、このドックで目のことはほとんど分かります」
受診すべき人は?
――どんな人が受ければいいのでしょう?
「目に1回でも不安を覚えたことがある方は、受けていただいたほうがいいと思います。
このドックでは、失明原因上位の疾患を早期発見できますし、一度しっかり検査をすれば、過分な不安は取り除けます。
また、実は眼鏡のピントが合っていなかった、というだけのこともあります。
快適に生活するためにも、早めの検査が有用です。9月からスタートして、すでに30代から80代まで、さまざまな方に検査を受けていただいています」
8つの専門検査を実施
――具体的な検査について教えてください。
「項目は、屈折検査・精密眼圧検査・涙液層破壊時間検査・矯正視力検査・眼底検査・網膜干渉断層計検査・細隙灯顕微鏡検査・角膜内皮細胞検査の8つです。
専門の機械を複数台用いますが、一つの診察室で済むのでスムーズに短時間で終わります。
概ね30分程度です。
散瞳薬を用いた検査は行いませんので、来たときと同じようにご帰宅いただけます」
自覚症状の出にくい病気をキャッチする
――早期発見の重要性を改めて教えてください。
「早期発見が特に重要なのは、緑内障と糖尿病網膜症です。どちらも自覚症状が出にくく、気づいたときには進行期に入っていて、失明のリスクが高くなっています。
早めに見つけ、進行を遅らせることが非常に重要です。
ほかにも、ドライアイなども放っておくと、眼球がぼこぼこし、急に見えにくくなったりします。
検査は簡単に済みますので、ぜひ一度調べてみてほしいです」
【こんな人にお勧め】
・40歳以上
・家族に緑内障の人がいる
・糖尿病、高血圧など
・近視が強い
・かすみ目、眼精疲労、眼痛、頭痛などが続いている
・メガネやコンタクトレンズが合わない
【検査概要】
検査日:毎週月・水・金曜 ※完全予約制 ※10時30分~、1人限定 検査料:5,000円