小平発! 「旅するムサビ」にグッドデザイン賞 「美術で社会を変える」で10年今日から展示会  3日はワークショップ発表会も

小平市にキャンパスを置く武蔵野美術大学が2008年から取り組んでいる美術教育「旅するムサビプロジェクト」(以下、旅ムサ)が、このほどグッドデザイン賞に選ばれました。

学生が小中学校などに出向き、美術教育をするという活動で、とりわけ「黒板ジャック」でよく知られます。今週、その発表展示などが多彩に行われます。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

「黒板ジャック」を鑑賞する子どもたち(写真:武蔵野美術大学提供)

 

小中学生らと美術鑑賞やワークショップ

旅ムサは、学生が全国各地の小中学校などを訪ね、美術教育をする活動です。学生制作の作品を子どもたちと対話しながら鑑賞したり、一緒に創造のワークショップなどをします。

始まりのきっかけは、東大和市の中学校教諭から「生の作品を見せたい」と美術教育について相談を受けたことだったそうです。「学生を派遣してはどうか」と2008年に始まり、好評を受けて、徐々に広まっていきました。

10年の間に北海道から奄美大島まで全国各所で実施され、12年には上海、16年と今年は台湾でも行われました。その数は、今年8月末現在で264カ所に達します。

参加する学生は、各回5~10人ほど。1年生から大学院生まで自由参加で、各回の呼びかけに応じた学生たちで授業を企画します。ちなみに、旅費は当初は学生負担。現在でも一部は学生が自己負担で活動することが多いそうです。

 

メディアでも話題の「黒板ジャック」

そんな活動の中で生まれたものの一つが黒板ジャックです。旅ムサの告知をしようと生徒に内緒で黒板に絵を描いていったところ、驚きと感動で評価され、メディアでも話題になりました。

旅ムサの意義について、同校社会連携チームの板橋孝浩さんは「『美術を通して社会を変える』をモットーに続けています」と話します。

「対話型鑑賞などでは、同じ作品を見ていろいろな感想を出し合います。そうした体験を通して、互いの意見を認め合っていく。美術にはそうした機会を生み出す力があります」

また、同校出身で学生時代に何度も旅ムサに参加したという同チームの佐久間茜さんは、

「学校教諭になった卒業生が旅ムサを自校に招いてくれたり、旅ムサに接した子が新入生で入ってきて、今度は教える側で参加したりしています。旅ムサの輪が広がっているのが誇らしいです」

と話します。

作品鑑賞の様子(写真:武蔵野美術大学提供)

 

展示やレポートなど

なお、旅ムサの展示が今日から5日まで同大学デザイン・ラウンジ(港区赤坂9の7の1 ミッドタウン・タワー5階)で開催されます。4日午後1時と3時からは、学生による展示解説もあります。無料。

また、3日午後1時から鷹の台キャンパスで、「ワークショップ発表会:美大生と地域」も開催。長期滞在で実施した旅ムサのレポートも予定されています。

詳しくは同校(042・342・7945)へ。

(※編集部注 イベントは終了していますが、地域情報として掲載を継続しています)

武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクト

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