初の取り組みで、自治会のおまとめ発注も
「『コロナ』をきっかけに地域を結びつけろ!」。
苦境にあえぐ地域の飲食店の魅力をこの機会に広く知ってもらおうと、小平市で先月から「こだいらフード応援プロジェクト」が行われています。各店のテイクアウトメニューを指定場所まで届けるデリバリーサービスもあり、先日14日には、自治会がまとめて注文するという試みも行われました。自治会にとっては久々にメンバーが顔を合わせる機会にもなり、今後の継続が期待されています。
当日の様子を取材してきました。3分40秒ほどの動画にまとめています(※以下、記事も掲載します)。
動画(3分44秒)
自治会連合会が30食を「おまとめ注文」
さる14日の正午ごろ。小平市上水南町の南アパート集会所に、距離を取りながら、次々と地域の人が集まってきました。
「私が頼んだのは、フレッシュ多摩まるやすの『平櫛田中弁当』と『にぎわい幕の内弁当』です」
「こちらですね。配達料込みで1680円です。ありがとうございます」
そんなやり取りが約10回。配られた弁当は、自治会を束ねる「上水南町自治会連合会」が地域の人からの注文をまとめて発注し、集会所に一括して届けてもらったもの。複数の店舗の商品があり、この日は合計で約30食が売れました。
地域限定で、1食50円でデリバリーサービス
自治会に注文をまとめてもらい、複数の店のテイクアウトメニューを一括で届ける――。
そんなユニークな企画を行ったのは、先月5日から稼働している「こだいらフード応援プロジェクト」実行委員会です。
地域活性化を求める有志市民らでつくる団体で、地域情報発信などを行う「一般社団法人こだいらまちかどステーション」とこの活動を共催しています。
プロジェクト自体はは、新型コロナウイルスの影響で来店者が激減した地域の飲食店を支えようと始まったものです。テイクアウトメニューの宣伝を手伝うほか、ニーズがあればエリア限定でデリバリーができるシステムも築き上げています。
エリアは、小平市を3つに分けて設定(西部は準備中)。デリバリーは、原則として1食当たりプラス50円の安価で行っています(デリバリーは前日午後5時までの注文)。
5月14日現在では、10店舗が参加しています。
「自治会メンバーにも会えるし、地域のお店の役にも立てる」
14日の自治会による“おまとめ注文”は、テストケースとして実行委員会から同自治会に持ちかけられ、実現しました。
届ける側からすれば、注文を仲介してまとめてくれるところがあれば、一定数を効率よく届けられ、利点が多くあります。
一方、自治会の側も、「コロナ」で停滞していた自治会活動に刺激を与える点でメリットがありました。
同連合会会長の渡邉清さんは、「コロナという災害に自治会としてどう対処すべきか迷っていた。集会所で配布することで地域の人たちの顔も見られるし、小平のお店の役にも立てる。今後、第二弾、第三弾も模索したいです」と話します。
「コロナ」後も続けたい
ちなみに、上水南町は国分寺に近いことから、小平市の店にはあまり行かないという人も少なくないそうです。
そうした実情も受け、プロジェクト実行委員長で経営コンサルタントでもある武井亮太さんは「テイクアウトやデリバリーは地域の飲食店の魅力を伝えるチャンスでもある」と指摘し、こう話します。
「都心で働く方や若い方など、地元の魅力的なお店を知らない方は少なくありません。そうした方々に地域で楽しんでいただき、地域自体を活性化させたい。そのためにも、このプロジェクトは『コロナ』後も継続させたいと考えています」
同プロジェクトのホームページはこちら(https://kodairamachikado20.wixsite.com/kodaira-delivery)。
なお、参加店舗や配達スタッフも募集中。問い合わせはメール(kodairamachikado2020@gmail.com)で。